図解&まとめ『細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本!』

図解『細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本!』

本書を図解すると,全体像はこんな感じ。

部分ずつこの図解を解説していこう。

「数学的思考力」=情報をフローチャートにまとめられる能力

「数学的思考力」とは何か。定義は以下の引用文のとおりだ。

「数学的思考力」とは,「物事の仕組みを一つひとつ整理して考えることができる能力」のこと(p.29)

簡単なイメージとしては,「情報をフローチャートにまとめることができる能力」と言うこともできます。(p.30)

フローチャートというのは [□→□] のような,項目と矢印を用いた図式のことをいう。この記事も,この考え方にならって図解することにした。

本書によると数学的思考力は次の2要素から成り立っている:(1)思考の歩幅,(2)思考の骨太さ

数学的思考力を支える「思考の歩幅」「思考の骨太さ」とは

(1)思考の歩幅とは,どれくらい細かく論理を展開するかということだ。「頭がいい」人は,思考の歩幅が大きく,思考の階段を何段も飛び越えてしまう。しかし一般の人にとっては,一段ずつ登っていくのが「自然な歩幅」だ。なので,1-2段飛ばしをしてしまう「頭がいい」人の説明によって,「分かったつもり」をしてしまわないよう気をつけることが大切だ。

逆にこの考え方を,人にものを説明するという視点から捉えると,相手にとって心地のよい思考の歩幅を考え,相手の歩幅に合わせると,話に説得力をもたせることができるようになる。
ただ,思考の歩幅は細かければよい,というものでもない。細かすぎると,論理的に多くの事柄を考え続ける思考の持久力が限界になり,結局何が言いたいのか分からなくなってしまう。

(2)の思考の骨太さとは,一つひとつの論理の強さのことだ。これが欠けていると,「論理は繋がっているはずだけど,なぜか説得力がない」という状況になる。話の論理性を高めたり,予想確率を高めたりするために,思考の骨太さが必要だ。

では,思考の骨太さを見極めるには,何が必要か。それは,論理的洞察力だ。

論理的洞察力は「つっこみ」「素朴な疑問」「仮説と検証」で鍛える

つっこみとは,「あれっ」と思うような,論理のおかしなところを指摘すること。 素朴な疑問を投げかけるとは,「本当にそうなのかな?」と疑うこと。ニュースを見ているときなどにこのようなことを考えるクセを付けると,論理的洞察力を鍛えることができる。

また,仮説と検証の作業を繰り返すことで,情報のバイアスを見抜けるようになる。「つまりこれは○○ということなのか?」と仮説を立て,その仮説が正しく矛盾がないかどうか検証するのだ。

論理的洞察力に加え,自己分析も思考の骨太さを支える。自分はどういう性格か,どういう面で思考のゆがみが出やすいか,といった分析を重ねると,自分を客観的に見ることができるようになろう。

論理的洞察力を身につければ,同じ失敗から抜け出すこともできるようになる。自分の間違えに対する言い訳やへ理屈を見直し,自分を変えるための具体的な方法を論理的に考えることができるようになるからだ。

論理的洞察力によって情報の本質を見抜く

さて,いよいよ本書の山場だ。

論理的洞察力を身につければ,情報の本質が見えてくる。一見すると違うようなものでも,実質的には同じものだと分かるようになるのだ。経済ニュースでも受験勉強でも,物事を理解するのに最低限必要な知識はさほど多くはないことが分かる。

この情報の本質を,数学的思考力によって組み合わせていくと,情報の基盤(=情報の全体像)を持つことができる。日々の断片的が,パズル全体のどこに位置するのかが把握できるので,情報の活用能力が上がるし,先読みもできるようになる。

数学的思考力を日常生活や数学の勉強に生かす

情報の本質が分かるようになれば,あとは最低限の知識をどのように応用するかを考えればよい。最低限の知識とは,経済ニュースであれば経済の本質や用語,数学であれば公式や解法となる。

最低限の知識を得るためには「y=x」的勉強法が必要で,情報が1つ得られると知識も1つ増える。しかし,情報の基盤を持つようになると,新しい知識とそれまでの情報が一緒に掛け合わさって,飛躍的に多くのことが分かるようになる。それが「y=x^2」的勉強法だ。

感想,レビュー『細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本!』

★★★★☆

結局のところ本書は,批判的思考法について数学というメタファーを使って説明したものといえよう。因果の終点から本書を改めて要約すると,次のようになる。

情報を先読みし活用するためには,ニュースなどから得られる情報の本質を見極め,それらを蓄積して情報の基盤を構築する必要がある。情報の本質を見極めるためには疑問や仮説などを用いる論理的洞察力が,情報の基盤を形成するためには数学的思考力が,それぞれ必要となる。

内容は理にかなっているし実用的!! だけど少しフワッとしている!! だから星4つにした。

筆者のいう「数学的思考力」は,「批判的な思考」「クリティカル・シンキング」に近いものだと理解している。その身につけ方を,まさに数学のように様々な例題を用いながら具体的に解説したところが本書の優れている点だ。

しかし,「情報の本質」「情報の基盤」など独自の用語についての説明が不十分だった。前者は一般的にいう「概念」,後者は「個々の概念を組み合わせてできる法則性・理論」に近いように感じるが,この理解でよいのだろうか。独自の用語を使うからには,明確な定義がほしい。

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