『読書の腕前』(岡崎武志)は単なる内輪ネタと自慢話

岡崎武志『読書の腕前』要約

読書は,スポーツなどと同じように,読めば読むほど「腕前」が上がるものだ。本を読むことによって,人間を理解する力が深まり,豊かな体験をすることができる。

感想: 読書が好き!! そして読書好きな自分が好き!! という本

★☆☆☆☆

「読書の腕前を上げたい!」と期待して読んだら大ハズれなので,気をつけてほしい。読書をオススメする本でもない。読書好きが自分の読書歴を徒然なるままに書いただけ。それもそのはず。

読者のみなさんが,このなかから,一つでも二つでも,気に入った言葉や,納得してもらえることがあったらうれしい。(p.294)

というような書き方で書かれた本だからだ。

ひたすら「読書好きなら共感できるよね? ね?」の繰り返しで,同じ経験をした仲間内なら盛り上がる話だだろう。どれくらい内輪ネタ(個人ネタ)かというと,こんな調子だ。

  • バスの最前列の一人掛けの席がぼくの読書の特等席っ!!(p.37)
  • 活字を追うことに没頭することでしか気づくことのできないもの。っあるよね~!(p.50)
  • ネットでは本は買えない。だって買物の喜びを与えてくれないんだもの。(p.146)
  • 仕事を終えて家に帰り,夕食や入浴を済ませ,寝るまでのひとときを読書に費やす。これって心の余裕のある人ってカンジよね~。(p.190-1)
  • 読書に膨大な時間を費やしたことを悔やんだことはない!! それが私の生き方だ。(p.259)

さらに,これは完全に自慢話であって読書の腕前でも何でもないだろと思ったのが,書評の原稿を書いたときの話。

ある本を,当時の政治家を揶揄しながら皮肉たっぷりに書いたところ,編集者から「よくぞ言ってくれました」とほめられちゃいました,と。読書を続けてるとこんな楽しみもありますよ,ということなのだろうか。

私も読書は好きなので共感できるところはあったが,わざわざ本にして出版にするほどの内容ではないものばかりだった。ひたすら内輪ネタと自慢話のオンパレードだった。読書好きな自分の読書歴に酔ってしまったあまり,できあがってしまった本とでもいえる。

齋藤孝の『読書力』にしても本書にしても,読書好きが書く読書の本はろくなものがないなぁ。読書家の内輪ネタと自慢話を聞きたければ『読書の腕前』をどうぞ。

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